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2008年5月10日 (土)

隠し砦の三悪人<ネタバレかも?

やっぱりクロサワは偉大でした。
それを再確認したようなもんでした。

もちろん、1本の作品としてはイイ娯楽作品だと思います。

ただ…新感線映画…って感じは否めません。
”あの”舞台の雰囲気を映画で見てる感じ。
50年前に比べるとチャンバラ大増量ですし。
クロサワ三悪人を”引用”したハリウッド物を
逆輸入したようなところも…。

エンディングも、そんな雰囲気が漂ってましたね。

オリジナルは…
単純に”西部劇”の面白さを日本映画で表現したい…
と考えた黒澤さんが、実力脚本家を缶詰にして
共作したシナリオで、シンプルな脱出劇として
楽しめる痛快娯楽作です。
で、”そこはかとなく”戦乱とそれに巻き込まれる市民、
武士…というより男の美学のようなもの、
いわゆる”男だねえ~”的な格好良さとでも言う面が
出されていました。

そのオリジナルと比較すると…
たとえるなら…
りくろーおじさんのシンプルな美味しさのケーキに
生クリームやフルーツをたっぷりトッピングした…
そんな感じ(わかるかなあ…)。
あえて入れる事無いデコレーションを
あれやこれや入れたが為に、
オリジナルの持つ”いい面”が
影に隠れてしまった…とでも言いましょうか。

頭にも言ったように、
1本の作品としては良く出来てるんですが
同じタイトルを入れるならば、無駄だった。

(続きは下へ)

さて…TB大会やろうか…と今、検索掛けましたが
ジャニファン系が多いので、やめました(笑)。

とりあえずは…若い衆には受けがよろしいようで…。
ははは。

今日、T-JOY万代初回にも、
50年前観たであろう老夫婦やご老人が
数組おられましたが…どうでしたかね。

黒澤三悪人の場合…
三国の設定など、
観客には不案内な部分はあったものの、
城下町のお触書や砂の上に書く地図などで
お話の中に”さりげなく”入れてましたが
今作では冒頭からNAと地図で丁寧に説明がなされた。

百姓二人が翻弄されながら隠し砦と遭遇する冒頭も、
簡単に済まされていた。

日テレによる放映を見越してか、
”おし”という差別用語を避けるが為か、
姫のカモフラージュ設定も変えられていた。

主人公とのロマンスや、
無益な戦への嘆きなど…物語としての厚みを出した為に、
オリジナル一番の部分である「脱出劇」の要素が
掻き消されていた。

兵衛の名セリフ「裏切り御免!」が
別の意味で使われる事になったが為に、
言葉の持つ意味合いが変わってしまった。

西洋的な善悪ハッキリ設定にしたために、
勧善懲悪的な見せ方になり、
オリジナルが持つ、
戦の中にもある…男の友情…真の意味の
男らしさが掻き消されていた。

オリジナルが…
百姓二人が狂言回し役だったのに対して
今作、マツジュン&姫メインで描く事になり
武士と百姓の生きる世界の違い…
という超える事の出来ない現実問題と
それぞれの幸福の違い…
という、大きなテーマが
若者の生き方と主君と市民の理解という
2大テーマに替えられ、
作品全体のシルエットがぼやけてしまった。

そして物理的な部分…
ビスタサイズだった為に、空間の広がりが
無かった。
同じ日テレ物の「三丁目」がシネスコサイズだった事を
考えると、これほどワイド画面が似合う作品は
無かったのに…。

特に、馬上の殺陣は横移動の醍醐味を
存分に活かせたのに…。

んんんんん。

いろいろ書き出せばキリが無いな。

「椿三十郎」でも感じましたが、
やっぱり黒澤明は、世界のクロサワだった…
それを再認識させてしまう21世紀版でした。

残念っ。

★★★

※役者陣の芝居は予想以上に素晴らしかったです。
アベちゃん六郎太は、三船六郎太に負けてなかった。

やっぱりホンかな…。

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