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2008年1月20日 (日)

テレビの「ふさわしさ」

最近、ドラマウォッチャーというのを
趣味としていて、思うところがあります。
それは…「枠イメージ」の崩壊。

今季でも、何度か書いてる通り、
月9に野島作品があり、
ポップな色彩のハチクロが火9…

各局、カラーを定着させない事で、
視聴者層の新規開拓を試みているのかも
知れない…。
ただ…
刺激と安定は…難しいもので、
安定は、下手をすれば「マンネリ」となり、
刺激は、度を過ぎると「嫌気」になる。
その「頃合」が大事になる。

しかし…最近の傾向を見ていると、
とりあえず「何か」新しい事をどんどん
出していって、数撃ちゃ当たる!式の
供給が過ぎるのでは無いか?と思えてくる。

さらに言えば、TV自体、娯楽の王様とは
言えない時代でもある。
インターネットもあり、DVDもあり…
録画すれば堂々とハイビジョンで
ゆっくり、好きな時間に見る事が出来る。
リアルタイムで見てもらうには大変な時代と
なっている。

そして、一番困った状況なのが
不景気時代を引きずっている事。
マスコミ全体を含めて広報的な分野は、
企業としては、金を回すのは
一番後回しにされるもの。だから、
景気が上向きになっても、その恩恵を
受けるのは、一番後になる…

企業は金を出し渋る。
レギュラースポンサーには、なんとか
とどまって欲しい。
すると、制作よりも編成よりも
営業、そして代理店が主導権を握る。
結論、「いかにすれば数字を稼げるか?
ターゲットへの訴求力が出るか?」
という論法に辿り着く。
すると…スポンサーを説得するための
企画が優先され、リスキーな内容の企画は
軌道修正、却下される。

この結果、放送前のインパクトがある企画、
名の知れたタレントのキャスティング、
その演技力を補う達者で機用な脇役配置、
数字がぶれない解かり易い演出、
そして知名度のあるアーティストによる
主題歌タイアップ…こういう図式が出来上がる。

そして、どの枠を見ても
よく似た企画とよく見る脇役、内容と違和感のある
主題歌…という滑稽なラインナップが出来上がる。
それが今のTVです。

(もっと長くなりそうなので…続きは以下!)

何故、こういう事を書くか?というと、
今夜初回を迎えた「佐々木夫妻の仁義なき戦い」への
失望感から…。

元々この枠は「東芝日曜劇場」でした。
(詳しくはウィキペディア解説を参照)

日曜の夜、ゆったりした時間…
リラックスして楽しめる上質なホームドラマを
提供する…単発ドラマ枠でした…。
元々TBS系列は…老舗局が多く、
ドラマ制作力も持っていた為、各局持ち回りで
様々な企画による単発ドラマを競作していた…
という伝統がありました。

90年代になり、他枠同様シリーズドラマ枠に
変更され、制作もTBSのみになって今に続きます。

一社提供というのは縛りも多い代わり、
スポンサー姿勢が変わらないので、
安定したカラーの番組で続くものです。
その「東芝」も去り、今は複数提供枠になっています。

さて…一方、
同じく一社提供で無くなった「サザエさん」はどうか?
スポンサーは変わろうとも、色は昔同様です。
そして、日曜夜というのは、同様の「安定色」ある
番組が並んでいます。
NHKの大河ドラマを筆頭に、
「笑点」「鉄腕DASH」「ガキ使」(日テレ)
「ちびまる子」「サザエ」「堂本」(フジ)
そして…TBSは、
「報道特集」「からくり」「奇想天外」「ウルルン」「情熱大陸」「世界遺産」

テレ朝の場合、「日曜洋画劇場」は残るものの、
「ビフォーアフター」終了の為、安定感の無い
編成に陥っています。

民放で唯一、日曜のドラマ枠を持つ
TBSは、この日曜劇場を、どう位置づけて
いるのか?
昨年1月期の超大作「華麗なる一族」を除き、
2006年4月期以降は、トレンディドラマ草創期を
思い起こさせるライトコメディ枠…になってる
気がします。
が…ことごとく空振り。
特に昨年に至っては、織田、舘、さんま…と
三振が続いています。

ターゲットを40代に置いてる…とすれば、
華やかなりしトレンディドラマに浸っていた
世代が、気軽に楽しめる…という意味では
間違っていないかも知れません。
が、邦画全盛の今、ソフトの現場の
クオリティは格段にUPしています。

「ある程度」のクオリティと論法では
目の肥えた視聴者をリアルタイムで
繋ぎ止めるのは、至難の業…と、
言わざるを得ない現状です。

前述の通り、日曜夜の「安定」枠の中、
TBSの他時間帯を見れば、
「からくり」の他愛も無い笑い、
「奇想天外」の知的エンタメ、
「うるるん」のヒューマンドキュメント、
「情熱大陸」の上質なドキュメント、
「世界遺産」の映像美…
深い時間に移るに従って
家族的なものから中年層向け、
壮年層向けへとターゲットを
ゆるやかに移しながら流れるような編成は、
他局の追随を許さない「絵巻物」のような
上質さを持ち合わせています。

しかし…9時台のドラマだけが
異質の55分間として流れを堰きとめています。

ここでご提案したい。

数字的には即効性は無いかも知れませんが
あらためて、JNN系列共同による
単発ドラマ競作枠に再生させてはどうでしょう?

「家族層から中年、壮年のご夫婦が
週の最後、ゆったりと日曜の夜を過ごせる
上質なフィクション小品を提供する
やすらぎのドラマ枠」と定義すれば、
各局、さまざまな企画が出てくるのでは
ないでしょうか。

デジタル時代の今、
各局とも、コンテンツを生み出そうとする
危機感を募らせています。
「日曜劇場大賞」などの表彰制度を
設ければ、その文化的価値をも
高める事が出来ます。

日曜の夜だからこそ…のドラマ…
というのは、成立するはずです。

「私は貝になりたい」「ありがとう」を
生み出したドラマのTBSの底力を
今こそ、見せて欲しい…と思います。

そして…
他の局も含めて、
今、地上波テレビに求められているものを
視聴者の立場で、見つめ直して頂きたい。
そこから、
視聴者を先導する文化の担い手としての
「21世紀…新たなテレビの立場」も
見えてくるのではないでしょうか。

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