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2007年12月 1日 (土)

椿三十郎:黒澤VS森田(もちろんネタばれあり)

初日。T-JOY新潟万代スクリーン6。
第1回上映(9:10)の回は…
2,30人の入り。年齢層は、やっぱり
高かったですね。
20代男女~高齢者まで幅広い…という
感じでしょうか。

では評価。

★★★…そのココロは…以下!

椿三十郎公式サイト

その前にTB大会
まなっぺさんち…トヨエツが良かったそうです。
きむこさんち…あっという間に見終わったそうです。
シネマッシモ…50点という辛口評価。
花形チャンネル・プラス…70点。脚本の良さを実感されています。
モモコさんち…織田っちは役者です(笑)。よね?
れいんさんち…1回目観た直後。また2回目連続で見るそうです(笑)。織田ファン?
三沢さんち…手放しの高評価です。
komaさんち…若侍寺田役の林君のファンだそうです。なんと舞台挨拶の回に参加したんだって。
かずなりさんち…最後の決闘は「うーん」だそうです。
なぎささんち…結構辛口。やっぱり「血」ですか…。
恵さんち…織田族ですな。なかなか好評。
m5906hさんち…今年1,2位の面白さだそうです。
Akiraさんち…うん。前作出演者のカメオ出演、賛成ですな。
mrkgさん…女子高生ですか。若い層には好評です。
岬さんち…これまた高校生。松山ファンらしいです。初時代劇だって。好評。

もっと下。

まだまだ。

これくらい?

もうちょい。

では…いきます。
織田っちは三十郎になれたか?
 もちろん、絶対的リーダーの三船:三十郎とは
 全く違うタイプのリーダー像…という意味では、
 充分、三十郎になれた…と思います。
 しかし…
 時代劇慣れしていないということと、
 恐らく「意識してない」と言いつつ、どこかで
 三船:三十郎に影響されてるな…と思う部分が
 あっちこっちで見られました。
 元々、青島などで見られた…ふっ…と気を抜く
 軽やかなセリフ回しが全く無かったので、
 ずっしり声を出す芝居一辺倒にした事が
 映画を単調なものにしてしまったように感じました。

トヨエツ:半兵衛はどーなんだ?
 冒頭の神社のシーン…初登場で笑いそうに
 なりました。だってトヨエツ、声、高いんだもん(笑)。
 もちろん仲代:半兵衛と比較してしまいます。
 芝居自体は、時折「にやり」としたり「ギロッ」と
 目をやったりするのが、緩急付いて、
 好感持てました。仲代:半兵衛の無表情さでの
 蛇のようなクールさもいいですが、三十郎との
 関係を表す意味では、あの芝居は正解かも。

若侍が若い(笑)
 黒澤:椿では、どーしても若侍というには
 年齢層高めに見えたんですが、今回は、
 実際若いし、若いからこそのダメぶりも、
 リアルに感じる事が出来ました。
 ただ…表情が豊か過ぎて、若干くどさが
 ありました。舞台ならアレでいいんですけど。

おっとり母娘
 たぶん…黒澤:椿のほうがピッチが速いように
 思えます。意識してゆっくりしゃべらせたんじゃ
 ないでしょうかね。
 のほほんとした役なんですが、二人とも、
 目がのほほん…としてないんです。
 やっぱり入江たか子さんの達者ぶりが
 わかった…という感じかな。。。

殺陣
 どーしても比較してしまいますよ。
 森田監督や織田っちは、リアルさを出す為…
 とは言ってますが、正直なところ、殺陣に
 慣れてない織田っちをカバーするところも
 あったのでは?
 三船:三十郎の力強く勢いもある殺陣は
 比べ物にならないです。
 それは、ラストの決闘の解釈にも
 現れます(別項参照)。
 21人を1人でやっつけるのは、1カットで
 押さえるから興奮するのであって、
 細かくカット割りしても伝わらないのでは?

で、モリタはクロサワを超えたのかい?
 はっきり言って…別物と考えるのが正解。
 脚本は同じですから、全ては芝居と演出で
 判断する事になりますが、大河を流すように
 描くのが黒澤監督とすると、その河の真ん中と
 端の流れの違いを描写するのが森田監督…
 と表現しても、わかりにくいか(苦笑)。

 黒澤さんの場合…
 ダイナミックな表現で、見る者を圧倒して
 飽きさせないところが黒澤作品の醍醐味。
 ただ、どの作品を見ても、実際、細かい
 ココロを襞を描写する事は苦手です。
 森田監督は…
 その襞の部分をしっかり描けていました。

 初見、モノクロだから解かりにくいのか?と
 思っていましたが、登場人物の心理描写を
 しっかり押さえた演出をした森田バージョン
 を見て、やっとストーリーの全体像と脚本が
 意図するところが理解できました。
 その部分では、森田:三十郎も優れている
 と、評価できます。

あの決闘は、どーなのよ?
 「二人の決闘は、とても筆では書けない。
 長い恐ろしい間があって、勝負はギラっと
 刀がいっぺん光っただけで決まる」(脚本より)
 と書かれているこのシーン。
 黒澤:三十郎の圧倒的な迫力は、そのまま
 やるだけじゃ、とても勝てない。…
 …という事で、ああいう形の殺陣になった
 部分もあるのでしょうが、やはり、迫力には
 欠けていました。
 前夜、刃こぼれして、途中敵の刀を取って
 斬った描写を伏線とした殺陣(半兵衛の刀を
 使って斬る)というのは理解できましたが、
 その”やりとり”がシナリオ上の「一瞬光って」
 とは違っています。
 大目に見て、あの殺陣を受け入れたとしても、
 その後のモノクロスローは、いかがなものか?

 半兵衛の屍から懐紙を出して刀を拭き
 半兵衛の鞘に納める芝居で理解できるはず。

 畳み掛けるように描かないと、シナリオによる
 迫力は、出ないと思います。

 観客に親切すぎて、クライマックスの魅力が
 半減した…と感じました。

総評
 最後の決闘も含めて、物語のリズムが
 全編単調に流れて、娯楽時代劇としての魅力が
 半減した…と言えます。
 ただ、ヒューマンドラマとして解釈すると、
 黒澤:三十郎で描ききれなかった…若侍の
 成長と三十郎の人柄、そして、完全懲悪の
 リアリティが、描けていたとも言えます。

 黒澤のダイナミズムと森田の繊細さ…
 両方が合体できたら、最高傑作になったかも…
 というのが正直なところでしょうか。

余談
★途中、三十郎の食事の世話をする3人の女中は
 今回のほうがセクシーでかわいかった(笑)。
★コメディ演出が得意な森田監督。蔵之介:木村の
 すっとぼけ具合や、三十郎に振り回されて、
 きょとんとする若侍は秀逸。
★あの殺陣では、織田っちでは用心棒は
 リメイクできないでしょう(既にリメイクは別チーム
 での製作が決まってるそうですが)。
★はっきり言って、黒澤モノクロ版では、椿の
 ディティールは解かりませんでした。
 そこはカラーの勝利ですね。
★音楽ですが…最近聞かない重厚で印象的な
 メインテーマ曲になっていますが…
 どうも重過ぎて…。
 「用心棒」「椿三十郎」という黒澤2作品は、
 娯楽大作時代劇ということで”痛快”な作風が
 ヒットした…それを支えたのが、あのポップな
 三十郎のテーマでした。
 共通する「あばよ」の後の短い曲フレーズも
 高音のホーンが子気味よく響いて「終」マークが
 出る。爽快な気分で見終わる事が出来ました。
 今回、織田っち:三十郎の後姿が延々と映る
 後ろに重厚な音楽が流れたので、見終わった後の
 「爽快感」に欠ける結果になったは残念。
 別にミチルさんの作曲が悪い訳じゃないけどね。

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